標題曲「レフト・アローン」はあまりにポピュラーになりすぎた嫌いはあるが、やはり泣きの入ったマックリーンの代表的ソロであり、マウスピースの向こうから彼の吐息が聞こえてくるのがなんともいえない。また、特にこの曲からはマルの孤独感がひしひしと伝わってくる。かつて伴奏していた亡きビリー・ホリデーとの別れを切々と奏でている姿は痛々しいほどモデスティだ。しかし曲としては「キャット・ウォーク」の方が好きだ。とてもよくできた曲だし、ジュリアン・ユールのベースとマルのピアノタッチの絡みが絶妙だからだ。マルのアドリブ部分も退屈させない変化とメリハリを見せている。それに対して3曲目の「恋の味をご存知ないのね」はやや重い演奏だ。途中からマックリーンが入ってきたらおそらくきき所が増えたのではないだろうかと勝手に思ってしまう。結局、最初の2曲が良すぎて、後の曲をあまり聞く気がしないというのが、このアルバムの悲劇かもしれない。尤も最後部分でビリー・ホリデーの思い出を語るマルを無視するつもりは毛頭ないが・・・・。