モーガンのペット、この時期特徴的なパンパン弾ける音では無いんですよね。
JMの「Meet You At 〜」でもそうなんですが、ちょっと高音が苦しそう。
その点では、少し不調だったのかも知れません。
トランペット、私も趣味で吹きますが、ちょっとした唇のコンディションだとか
デリケートな部分で音が全然違って来ますからね。
けど、それが悪いかと言うとそうでは無くて、吹き方を自分の中で
少し変えてみたり、実験したりしてる風が有るんです。
フレージングも初期に比べて良い意味でトリッキーだったり。
だから、例えばブレイキーも煽りこそすれども、『オイオイ、大丈夫かよ』
という風では無いですよね。
(当該時期のJMのライブ盤あたりを是非聴いてみてください)
何でだろうなぁ、と考えると、特にショーターとの出会いが大きかったのでは、と想像します。
JMにショーターを誘ったのも彼だし、ショーターの音楽性に
深く感銘を受けた事は容易に想像が付くのですが、
トランペットでの表現技法についても、色々試行錯誤していた時期だと思うんです。
そこで、このアルバムですが、コルトレーンとも親交の合った
カルビン・マッセイの曲二曲が耳を惹きますね。
で、モーガンがマッセイの曲を絶妙に解釈して、素晴らしいフレージングを聴かせてくれる。
デビュー初期には「クリフォードの思い出」の素晴らしい演奏があったり、
常に先鋭的な演奏を聴かせていたモーガンですが、このアルバムについて言えば、
デビュー当初ではここまでの演奏は出来なかっただろうなぁ、と思う次第です。
2、3曲目のブルーズも流石はモーガン、そしてティモンズ、ブレイキー。
ブレイキーがドラムを叩いて、グダグダなブルーズに成る事は有り得ないので、
本盤でも本当に『これぞJAZZ、これぞブルーズ』と言った趣のサウンドを聴かせてくれます。
勿論、あくまで個人的には、の注釈が付きますが、モーガンの最高傑作だと思います。
モーガンの作品にハズレ無し、が私の持論ですが、本盤は諸作の中でも抜きん出た作品と確信します。