アメリカン・アイドル出身ボーカリストを中心としたバンドの2nd。今作では、バンド・メンバーとの共作曲も多いが、前作同様、高名なソングライター陣を迎えて完成させた楽曲群は、やはりスキがない。万人を納得させるだけの表現力をもったクリス・ドートリーの巧い歌が、アルバム全編を通して堪能できる高品質なアルバムだ。
前作同様、ハワード・ベンソンのプロデュースで、ミディアム・テンポの楽曲も多い構成だが、前作完成後にバンドの体制を整えたことが影響してかバッキングの音圧がやや上がっており、前作以上にロック作品としての高揚感がある。(前作のスラッシュ参加の楽曲のようなプレイ・アビリティを感じさせるような場面はないけど、ロック・バンドとしての主張も少しは感じられるかな…。)
ただし、クリスの声の良さや巧みな感情表現がオーバー・プロデュース気味のボーカル・ハーモニーにかき消されてしまう所があるのが前作同様に残念。プロデュースの問題か、ミックスの問題かは分からないが、次作は違うプロデューサーの起用もいいかな。他バンドにおけるハワード・ベンソンのプロデュースは決して嫌いではないが、クリスの声との相性がいいとは、個人的には思わない。(小綺麗にまとまっているので、万人受けするとは思うが…。)
CDの売れない時代にあって、一般層をも巻き込んで500万枚のセールスを記録した前作。そんな売れに売れた前作とも甲乙つけがたい内容の今作は、前作が気に入った人は勿論、歌ものロック好きには自信を持ってお勧めできる好盤。もはやアメリカン・アイドル出身なんて肩書きが不要なほどに、現代のアメリカン・ロックを象徴するバンドとしての存在感がある。
また、ソングライターとして関わったニッケルバックやシャインダウン(ブレント・スミスとは前作で共作)は言わずもがなだが、SR-71(ミッチ・アランには行き詰まっているSR-71をぜひ再始動させてほしい。)やWe Are The Fallen(ベン・ムーディが元エヴァネッセンスの楽器隊と再合流。今後、期待大。)などの、まだまだ可能性のある素晴らしいバンドにも、クリスの活躍から相乗効果が生まれることを願っている。