頭からお尻まで「シ」の音が流れ続けるこのアルバム、私の人生の中で革命的な一枚である。
私は椎名林檎のカルキザーメン栗の花、radio headのok computer、David Bowieのziggy stardustなどを好んで聴くが、それらと並ぶ名盤といえよう作品である。
この作品の一番の特徴は、ヒューマンビートボックス(のようなもの)を多用し楽器の使用は極力抑えられていることである。
まずは1曲目、シの音が流れ、そして彼女の歌声が聞こえてくる。空気を多量に含んださわやかな声である。そして次の瞬間、まるで打ち込みで作ったかようなピコピコというBGMが流れ出す。もちろん彼女の歌声である。この部分は何度聞いてもため息が出てしまうほど心地がよい。
次に、あげるとキリがないのだが2、7、11曲あたりががおすすめである。
そして、13〜15(ラスト)の夢の終わりへ向かうようなせつなさと白昼夢の優しさが、何度も私にこのCDを再生させるのである。
このアルバムの最も優れた点は、ポップスでありながら非常に形容しがたく、おそらく現時点ではカテゴライズ不可能なジャンルに挑戦している点である。
ただ残念なのが、4、9、12と同タイトルのついてる曲が実験的で面白くはあるが、アルバム全体の流れを悪くしていることと、彼女の中で最も売れたCDであるにもかかわらず日本版が発売していないことである。しかし、フランス語の美しい響きは堪能できるであろう。
異世界へ足を踏み入れてみてはいかがだろうか。