作曲者が誰とか、曲がどうとか、そういう説明を一切必要としない名演。
最初の音が鳴り響いた時から、グールド・ワールドが展開する。
世界一級品の美術品の本物を目にした時のような直接性で、リスナーを瞬間的にとりこにする。
後は、このアルバムには、いくつかのCDが存在するので、どのCDを手に入れるかということ。
まずジャケット違い。ジャケットは、このイラストバージョン(LPレコードのジャケット)が圧倒的にいい。
ただしこの輸入盤は、上部に余計な飾りが入っていて、完璧ではない。
日本盤に、LPレコードが完全にそのまま使われているものがあり、入手困難かもしれないが、それがオススメ。
その日本盤のライナーノートを書いているのは、
『バロック音楽 豊かなる生のドラマ』という名著を書いている礒山雅氏。
「私がピアニストだったら、ハイドンのソナタをこういうふうには弾かないだろう。
ピアノ教師だったら、こういう弾き方の真似はするなと生徒にいうだろう。
だが、このハイドンはすばらしい。
グールドのハイドンは、作曲者の発想指示を曲から一度取り払い
演奏者自身のアイデアによって再構成したもの」という的確な解説文が付いている。