LEO今井、1年2ヶ月ぶりのニュー・アルバム「Laser Rain」。
いきなりだが、正直形容に困る作品だ。
というのも明らかにこんなアルバムは聴いたことがない。
本人が言うには「10's MUSIC」(2010年代の音楽)という事だが
本当にそんな感じである。 時代を確信犯的に先取りしてしまっている感じ。
しかし艶っぽさが増していたり、キーボードをふんだんに駆使した滑らかなサウンドは
初めの内は異物感があるもの、何度も聴いていると気持ち良くなる。
大げさな表現だが、次世代の音楽の扉がLEO今井によって開かれてしまった感じがする。
少なくとも日本の音楽では。
セルフプロデュースによる「Lemon Moon」こそ一枚目に入っててもおかしくないナンバーだが、
一曲目の「Synchronize」からいきなり揺れ動いている不思議なデジタルサウンドに圧倒される。
しかも2曲目の「Connector」はひきつったような奇妙な叫びを叩きつけるアグレッシブな曲になってたり、
かと思えば3曲目はヒップホップ調の「Fit Of Love」だったりして。
5曲目「Laser Rain」に至っては、もはや何のジャンルかも分からない。シティポップスっぽい感じもするが、明らかに違う。
それでいて8曲目「High Speed Window」は非常に分かりやすい歌謡ポップだったりするから益々混沌としている。とことん分けが分からないアルバムである。
つまりは一曲一曲のコンセプトがはっきりと決まっており、
それでいて見事にバッラバラの楽曲、ふり幅になっているので統一性には乏しい。
しかしその分音楽的な面白さは十二分に感じられるのが強み。
中でも去年シングルとして切られた「Taxi」は特に素晴らしい。
問答無用で気持ち良いギターリフと切れ味の良いメロディ、とびきりのグルーヴ感。
それでいて間に入るひきつったラップもこれまた小気味良くて。
気持ち良い!としか表現できないようなキラーチューンだと思う。「Connector」「Word」も相当の名曲だと感じた。
以前とはサウンドが結構変わっているので、一枚目からのリスナーにとっては賛否両論になるかもしれない。もちろんこれで初聴きの人も。
ただ元々のコンセプトを完全に有言実行している、公約を果たした傑作アルバム・・・と表現しても間違いではない、とも思う。
私個人としては支持したいアルバム。音楽として面白い。