これは間違いなく買い物です。「宮殿」ボックスに三ツ星の私ですが(あまりにマニアックという理由で)こちらのLPサイズのボックスはすべてのクリムゾンファンに受け入れられる品物です。レビュー後半に私の手打ちのコンテンツ紹介あります。正確さが微妙で文章も長いので「いいえ」が多ければ削除します。
この商品に対する私の感想は「あの暴力的なクリムゾンが現在の最良音質で出た」。そしてコアなファンにとっての目玉商品は案外1973年のセッション記録、その名も『Keep that one, Nick』だと思います。特にLTIAをクリムゾンの最高傑作と称賛される方はぜひお聞きください。これに価値を認められること請け合いです。これはBDとCDに収められている79分にわたるストレートなセッション録音です。私にとってこのLTIAはクリムゾンで3番目に好きなアルバムで、特に異彩を放つJMが忘れられません。Keep that oneとはセッション直後に演奏者が(たぶん録音管理の)ニックに放つ発言ですが「今の音を残しておいてくれ」と言っているのではないかと思いますが、つまりLTIA part1のコンプリートレコーディングです。わずか1時間足らずでパート1を作ってしまったなんて、、すごいバンドです。若干の会話記録と他の曲のセッションも一部収録されています。
映像もビートクラブよりも美しいのが入っています。D15はBD、D12はDVDです。これらに含まれるvideoはLive in the studio, Bremen。一部は「Beat Club」で放送された映像で、JM在籍時の貴重な動画としてみなさんがどこかで目にしたことがあるものです(ビートクラブはDVD化されていますね)。今まで見た中でもっとも長くきれいな映像で、演出・画質など時代物ですが、何度も見たくなります。曲は1 Improv 27:18、2 Exiles 06:46、3 LTIA part1 07:02、4 LTIA part1 (Beat Club version) 06:28(プレーヤー表示より)です。40周年のスターレスのエフェクトはひどかったですが、ビートクラブのエフェクトも見苦しくて、一方3はそのエフェクトがないので若干見やすいです。当然JM働いています(ほかの人がレビューしてます)。これだけで十分な付加価値と思います。Exilesのライブ演奏は各期に持ち味があり、特にFrippの間奏のソロと伴奏のメロトロンはどれも似ているようでいて常に違いがあり、和音構成に私なりに発見があったものです。今回のボックスは
Great Deceiver Live 1973以前のライブ演奏をまとめて聞けるというのが個人的な喜びです。予想よりも淡白な演奏でクリムゾンがその後演奏を熟成していったことがわかります。例えばブレーメンのスタジオ生収録では間奏のソロもなければメロトロンもその後演奏に比較して平坦で「出来立て」の感じです。実際(レコードの)スタジオ録音に先立って収録されたものです。その中で最初から完成度の高い動きをして異彩を放つのは言わずもがなJMです。ああこんなことをやっていたのかと、じわじわときます。
BDにはDTS-HDマスターサラウンド、LPCM5.1が入っており(残念ながらこれを十分再生できるスピーカーがない)DVDにはMLP lossless5.1またはDTS5.1chが収められています。音源はもともと「宮殿」のようなトラブルがなかったマスターテープですので違いを聞き分けるのは困難と思われますが、少なくともこれまでで最良音質であるという実感とデータを所有しているという満足感があります。5.1chはほんとにリザードの時のように感動的です。
CDは13枚です。データの羅列はレビューといえないとも思うのですが、ネットにあまり親切な?記載がなかったので参考になればと書いてみました。手打ちですので間違いはあると思いますがその分量を想像するのに役立ててください。なおLTIAはLarks’ tongues in aspic、JMはジェイミーミューア、RFはフリップ、JWはウエットン、Improvは即興です。
D1 LTIA(1), Book of Saturday, Zoom, Improv
D2 Easy Money, Improv: Fallin Angel, Improv, Exiles, The talking Drum, LTIA(2)
D3 Improv, Exiles, LTIA(1)
D4 No Pussy…, LTIA(1), Book of Saturday, RFのアナウンス, Improv, Exiles
D5 Easy Money, Improv: Fallin Angel, The talking Drum, LTIA(2), 21st century schizoid man, JWインタビュ
D6 LTIA(1), Book of Saturday, RFのアナウンス, Improv, Exiles, Improv
D7 LTIA(1), RFのアナウンス, Book of Saturday, Improv, Exiles
D8 LTIA(1), RFのアナウンス, Book of Saturday, Improv, Exiles, Easy Money, Improv
D9 Book of Saturday, Improv, Exiles, Easy Money, Improv, The talking Drum, LTIA(2), 21st century schizoid man
D10 Keep that one, Nick
D11 LTIA(1), Book of Saturday, Exiles, Easy Money, LTIA(2), The talking Drum, LTIA(2), US ラジオ宣伝, Easy Money (edit), Exiles (edit), LTIA(2)
D1&2 The Zoom Club, Frankfurt,1972/10/13、D3 Live in the studio, Bremen, 1972/10/17、D4&5 Hull Technical College 1972/11/10、D6 Guildford Civil Hall, 1972/11/13、D7 Oxford New theatre 1972/11/25、D8 Glasgow Green's Playhouse 1972/12/01、D9 Portsmouth Guildhall 1972/12/15、D8とD9は初出でいずれもブートレグのカセットテープから起こされたもの。他はコレクターズクラブまたはDGMのサイトでダウンロードできたもの。D10は上に記載。D11 1973年のオリジナルステレオミックスの30周年記念リマスター盤、D13はウイルソン氏によるオルタナティブミックス、D14はウイルソン氏らによる2012ステレオミックスCDです。(D12とD15は先に述べたDVDとBD)