この作者は『語り部』です。それも非常に優れた。
色々なことを知っている。見てきている。すさまじい量の想像をしている。その大部分を表現に転写できる、人なのだろうと思います。
世界を創り、すべてを俯瞰し、計算し、総括する知性と感性を持ちつつ、あえて自らがファンタジーの世界に飛び込んで描いている…
登場人物たちの造形、その会話、言葉遣い、立場、行動。
世界の背景、それに基づく様々な人々の思惑…
とにかく何から何まで、すべてが ”生きている” 。世界が、お仕着せではなく、出来合いではなく、真に生きている。
あの、およそ類を見ない美しいエンディングを見せてくれた「エビアンワンダー」をいっそう強化したように。
語彙貧困でうまく表現できないのですが。
おがきちか、は現代日本における屈指の漫画家であり、これはその代表作となるであろう、必読の傑作だと思います。