カシオペアと共に日本のフュージョン・シーンをリードしてきたスクエアのアルバム・デビュー作。伊東毅がリリコンではなくサックスやフルートを吹いていた頃の作品で,リリコンとは違った魅力の味わい深いサウンドが随所に光る。
マイナー調のキャッチーなフレーズをファンキーに吹き上げる「A Feel Deep Inside」や,思わずステップを踏んでしまいたくなる「The Number」などでは奔放でファンキーなソロが堪能できるし,メロウで落ち着いた雰囲気のバラード「愛は夢の中に」では,郷愁を誘うようなほろ苦いソロが胸に染みる。安藤正容のギターもこの頃はいかにもフュージョン的で,アルバム・ジャケットそのままのサマー・リゾート感覚の「Lucky Summer Lady」では,伊東のフルートも絡んで穏やかで涼しげなサウンドを演出。「Before It's Gone Too Far」では爽やかでブライトなメロディーを奏でている。個人的には宮城純子のキーボードも好きで「A Feel Deep Inside」での流麗でクールなソロ・プレイなどが印象に残る。
発表後30年近く経つが,今も瑞々しさを失わない正統派フュージョンの名盤である。