新ベーシスト・HISAYOの加入後、初のオリジナルアルバム。
(アレンジ盤は除く)
バンドの2度にわたるメンバーチェンジ(2人脱退、1人加入)
という音楽活動上安定しない状況であった上に、
日本では歴史に残る大きな震災が起きた。
この世を生き抜いていくために、
ブルースを歌い続けていくために、
彼らはどうしなければいけないのか。
a flood of circle は答えを出した。
それが今作、"LOVE IS LIKE A ROCK'N' ROLL"。
「愛」と「生」をテーマに、彼らの今持てる全てを詰め込んで。
アルバムの頭からシングル曲を連発し、
ブルースを歌い続ける決意と熱意、気力をこちらにぶつけてくる。
始めは「愛」のメッセージが強いが、
後半へ向かうにつれて徐々に「生」について述べられていく。
人間の現状や本質、そして世の中を皮肉りながら、
それでも、がむしゃらに生きて行くしかないと聴き手に強く訴えかける。
アルバムに毎回収録されているセッション曲は、今回は歌詞付で収録。
勢いがあり、アルバムの一部としてしっかり機能している。
DVDにはビデオクリップ4曲(内2曲はライブ映像)が入っており、
どれもドラマ性は無く、演奏主体の構成である。
彼らの楽曲は、歌詞が強いメッセージ性を持っているので、
演奏する映像だけでも十分なバランスを保っている。
最後に特筆させてもらいたいのはジャケット。
バックは落書きされた紺色の壁、中央に堂々と置かれた白黒のギター。
暗く辛い世の中に一筋の光が照らし出した希望。
それはギター。それはブルース。
a flood of circle が「今」を生きる人に贈る音楽なのだ、と
このアルバム全てを上手く表現している。
今までのジャケットの中で最もシンプルだが、
それ故に個人的には一番カッコいいと思う。
収録時間も約43分と大変聴きやすい。
過去作品と比べてもなんら遜色ない、非常に完成度の高い作品となった。
彼らは自分の身に何があっても、きっと信念は曲げない。
きっと目を背けずに、自分ができる最大限の力で挑戦する。
きっとそのスタンスを変えることなく、ブルースを声高らかに歌い続ける。
そう信じて、きっと私は次の作品にも手を伸ばしてしまうのだろう。
そうさせるだけの力を、この盤は持っている。
ただ明るいだけじゃない。ただ皮肉るだけじゃない。
前を向いて、力強く生きていく「心」をくれる、今年オススメの1枚。