ART SCHOOL一番の問題作といえば、このLOVE/HATEの他には無いものと思う。
その、次の瞬間には崩れ落ちてしまいそうな世界観は確かにこの作品においてピークを迎えており、ここがART SCHOOLの最高期と話すファンが大勢いることもわからないではない。
しかしそこで考えてもらいたいのは、その世界観が何によってもたらされたものであるか、という事である。
それは、木下理樹さんの心の揺らぎ、迷い、葛藤に起因する割合が大変大きい。人生を自分なりに悟っている人物には決してこんな世界観は出せないであろう。
木下理樹さんは別に仙人になるわけでもなんでもないのだが、under my skinで綴られる
「誰かを裏切る度に、これ以上はもう・・・ なんて」
からも伺えるように、ここを自分という人間の終着点とはしようとしていないのである。
ART SCHOOLだけでなく、こういった、キャリアの中でも特異な作品が出来るときというのは、やはり作り手の転換期であり、その以前にも以後にも同じような作品を作ることは出来ないのだ。だからこそLOVE/HATEのような作品を聴いたリスナーは、次にも同じ味を味わいたいなどと安易に期待するべきではないと私は考えている。それは作り手に対して余りに酷だ。これより後に作られる作品は、転換期を乗り越えた上で生まれる楽曲群である筈なのだ。リスナーにはそれに喝采を贈れるだけの余裕を持ってもらいたい 三'・ω・`三