おとなになった加護ちゃんが十代の若い衆と対談したり、カウンセラーや写真家と行った対談を収めた本。プライベートな写真あり、本人自身のエピローグもあり・・タレント本の王道かもしれないつくりですが、いろんな人とのつながりをもう一度、再構築したい、という彼女の率直な思いは十分伝わってきます。
加護ちゃん・・・・モーニング娘。の一員でテレビに出ていたころから、何か違和感というか独特なオーラを感じさせる人だなと思っていました。その違和感はおそらく彼女自身の内面からにじみ出てくるもので、「表現者」と呼ばれる人々に共通の違和感ではないかと思います。心の中に大きな欠損があって、その穴ぼこの本質は何なのか必死になって考えたり、埋まることのない穴ぼこを何度でも埋め合わせようとすること・・・アーチストの創作物の多くは、そのような自分の心の中の欠損を補填する作業によってもたらされるものだと思います。
物心ついたときには実父はいなく、継父と実母も結局離婚という彼女の生い立ちはそれ自身大きな欠損部であり、機能不全家庭で育った人がしばしば見せる異常な貪欲さと、同時にもろさに満ちています。そのパワーはまだ未熟で、かつて彼女は自分自身に対する破壊衝動のような、幼稚な表現しかできなかったのですが、そのパワーを十分に活用し「表現者」として生きていこうというたおやかで強い意志が感じられます。たとえば写真を撮られる人間から撮る側に変身しても彼女の感性なら十分やっていけます。三年間の謹慎期間は、アイドルではなくアーチストに変わるためのさなぎの期間であり、結果的に彼女にとってものすごくプラスになったのだと思います。
穴ぼこハートのプリンセス・・だね
なんといってもハタチだもん、何でもできるよ。