この映画にはさまざまに賛否両論渦巻いているようですね。私の意見としては、一応面白く観られる映画だとは思ったのですが、不思議と後々心に残らない映画だとも思いました。では一体その原因は何だろうかと思い返せば・・・。
一つには、やはり脚本や設定上にあるのではないかと思います。元々、天気の良い日にあんな場所であれほど大きな船が座礁・沈没すること自体がまず疑問なのですが、それから後も「行動するのが遅すぎる。もっとさっさと助けに行くべき」といった見方も確かにできるでしょう。
それとこの映画では、常識的に無理なことを成功させすぎる点にあります。例えば、人間ワザとは思えないほど長時間水中に潜るシーンがあるのですが、それをケガ人や妊婦が果敢にもやり遂げるわけで、こうしたターミネーター的な登場人物たちにも違和感も覚えました。さらにこの映画では「人間の心情」や「愛」を中途半端に描いていることも印象を薄めてしまった原因かもしれませんね。
あと、些細なことなのですが、フェリーの遠景がまともなのに、中がパニックだったり、逆に船体が大きく傾いているはずなのに船内は‘水平’だったり、もっと撮影に細やかさがあっても良かったと感じました。
映画というのは、やはり後々まで感動を引きずってこないと名作とは呼べないと思います。そのことを皮肉にも教えてくれた映画でもありました。