20世紀最大の文化遺産を何とするかは、極めて難しい問題で在る。然し、その候補の一つとして「ROCK」と云う音楽文化を挙げる事に異論を唱える者はないと思う。加えて、『BAND』と云う形態で自身で創作し、演奏し且つ歌うと云う音楽文化は1960年代後半から1970年代前半に驚異的進化を遂げ、開花結実し、現在の商業音楽の基盤となっている。残念乍ら、今や其の時代の生生しく尖鋭的な楽曲が商業音楽として取り扱われている事は見あたらないし、それを現在進行形で実践している者は極めて稀である。しかし乍ら、その本質を心酔・理解して体現する者達が21世紀の現在に在ることを此処で知る事が出来る。彼等三組は、その時代を知っている筈もないが、まるでその時代からやって来た者達の様な感性を等しく保有している。それは、トリビュートと云う形で演奏した曲よりも、寧ろ彼等自身の楽曲に如実に現れていることに象徴的である。
現代は様様な意味で、人間味が薄れ、人に対する「愛」「思い遣る心」を忘失した時代と言われるが、彼等三組は20世紀からやって来たかの様な「愛」「執着」「情熱」をさりげなく知らせてくれる不可思議な連中である。世界で一番美食の味わえる不思議な国に、不思議な好漢達が居り、不思議な響きを聴かせてくれる一枚である。
「偐紫亜米利加国歌」「誰か世代を思はざる」「好景気不景気」など佳曲が20世紀へ誘ってくれるに身を任せるのも一興ではないだろうか。
星一つの不足は、本家を敬して敢えて外したもので、ここで満票とすることは演者も迷惑な話であろう。
そこを察する人には、この一枚は一聴の価値があろうと思うが如何?!