エレクトロニカの重鎮bolaの最新作・・だいぶひっそりとリリースされた印象があります。
彼のオリジナリティーは今作でも遺憾なく発揮されています。
シリアスでメロディアスな旋律、それをエレクトロな音響と結び合わせ、リスナーにダークで透き通った世界観を提示。
今作はその音質に若干の丸みというか、温かみが加わり、描き出す世界にも若干の変化が見られます。
例えるなら、今までの作品で深海の底をたゆとっていた生き物が、ふとしたきっかけで陸の世界に辿り着いた、みたいな。
非物理な感覚が若干物理的になったように感じます。
エレクトロニカの風潮として、morrなんかを筆頭とする「穏やか」さがトレンドとして、多くのアーティストに影響を与えていますが、
bolaもこの要素を取り入れて今作を作ったようですね。
本来電子音が創り出す「冷たさ」を作品の中枢に据えていた彼ですが、この二つの要素がうまく共存した逸品といえそうです。
もっと注目されてもいいと思うんですが、このジャケではちょっとなあ。
いままでのカッコイイデザインはどこにいったのか、最初は編集盤だと思ってしまったよ。
ジャケはちょっと残念ですが、往年のファンにも響くいい作品です。オススメ。