この「ケルト」は、同デザイナーによる前作である2人専用ゲーム「ロストシティ」の拡大版・改良版です 秘境冒険風の味付けがしてあった「ロストシティ」は、ちょっと珍しい2人専用カードゲームとして白眉の秀作でした♪ で、この多人数版「ケルト」ですが‥ 期待に違わぬ大傑作!! 美術的には、ケルト風フォークロアの味付けが濃いデザインラインですが、基本的に「ロストシティ」とアイデアはいっしょ ただ、カードの使用法の柔軟性と毎回のプレイにおけるバリエーションが傑出しています 4人で行うテーブルゲームとしては、最高の部類であると思います
ルール自体はとても抽象的です 手札から自分の「場」に、特定の色の、より大きい数字(又はより小さい数字)を出して、自分のコマを先へと進めて行くだけ 進んだ先にチットが配置してあれば、得点が生じたり、ささやかな効果が発生します どの色のコースのコマを発進させるか(あるいはさせないか)が悩みどころ‥ 中途半端な進み方では、マイナス得点になってしまうからです それなら発進させない方が良い でも、捨てたカードは他のプレイヤーによって拾われてしまう可能性もあるので、要らないからといって即捨ては禁物 まるで占いボードのような民族意匠溢れる緑のボードの上で、数々の美しい木のコマたちがせめぎあい、競走しあって動き回る楽しさがあります ルールに無駄な部分が一切無く、非常にクレバーな遊戯をエレガントに楽しんでいるという気分にさせてくれるのも良い こういうゲームは珍しいです
コンポーネントはしっかりとした厚紙(印刷も美しい)と木製のコマ多数 プレイするカードはコーティングされた紙製で、ちょっと弱いかな‥? ボード上に配置するチットが頼りない厚紙製なのが残念賞 やや高価な値付けなので、何とかして欲しかったです しかし、全体的に非常に完成度の高い秀作 プレイすることと持っていることの喜び、その両方が味わえます
最後に一言、昨今この分野で話題の「ドイツゲーム大賞」を取ると、この業界では「拡張セット」や「追加ボード」が多数出るという現象が見られます この「ケルト」も例外ではありません ファンにとっては非常に嬉しいイベントであると同時に、それらの「ゲームとしての出来」が非常に気になります 「ケルト」に関しては、この本体だけで完璧に閉じた世界の「美」を構築してしまっているので、ゲーム性自体を変更してしまうような拡張セットは不要と考える人も居るでしょう‥ 興味のある人は是非、いろいろ情報を収集してから拡張セットを購入したいものです