タイトルやアルバムカバーを見ながらこの作品を聴いていると、何だか、自分が1997〜98年頃のパラレルワールドに迷い込んだかのような錯覚に陥りそうになる(それって、もしかしてジョナサンの思う壺?)。
『FOLLOW THE LEADER』から『UNTITLED』までのKORNが、まるで無かったことにされているかのようなプロダクションになっているのだ。
『LIFE IS PEACHY』の次にリリースされた、正真正銘、KORNの3rdアルバム、といった趣なのだ。
ここに至るまで、実際には様々な音的変遷を経てきた彼らではあるが、今回は、単にこのアプローチで制作したかったということなのだろう。何か特別な意図があって、こんな作風になったのではなく、有体に言えば、メンバーの気ままさがそうさせたのではないか、という気はする。
僕個人としては、問題作とされる(実際の)3作目や5作目も結構好きなので、特に本作の方向性に感涙するということも無かったのだが、前2作が、あまりにモダンな方向に振れたアルバムだっただけに、そういう面ではこの揺り戻しは割と肯定的に捉えることが出来た。
作品自体について言えば、これは、流石の完成度を誇るものとなっていて、最後まで聴き手側のテンションを緩めることなく展開していく、彼ら独自のヘヴィロックの真髄を、存分に堪能出来る内容になっていると思う。
極めて安定感に優れた好作品になった、と言えるだろう。
但し、逆に言えば、これはある種の行き詰まり感の表れであるのかもしれない。
『TAKE A LOOK IN THE MIRROR』の時にも感じたのだが、もう1ステップ上の音楽的成長を目指して作った作品が壁にぶち当たったとき(それは、セールス面も含めて)、安易にデビューの頃の作風に回帰する、あるいは(悪く言えば)逃げ込む、といった印象をあたえてしまっているという側面があることも、否定はできないからだ。
彼らは器用なアーチストではない。その上に、極めて特異な音楽性を有するグループだ。
そういった音楽的特性からくるマンネリズムと、どう向き合っていくべきなのか。
その命題は、今後も、彼らにのしかかってくる大きなテーマになっていくのだろう。
このアルバムは、そんなことも考えさせられる微妙な作品であるという風にも、僕は思った。