ポーランドの最も著名な作曲家といえば間違いなくショパンだろうが、
ポーランドのスタンダードと呼べる曲を多く作曲した作曲家といえばクリストフ=コメダだろうか。
マンシーニやモリコーネの様に数多くの映画音楽を作曲し、
ポランスキーの映画も幾つか手がけている。
コメダ自身もジャズピアニストとして活躍していたらしくアルバムも残しているそうだが、
自分は寡聞にして残念ながら聴いた事がない。
LESZEK MOZDZERのアルバム以前に実際コメダの曲に触れたのはSimple Acoustic Trioの同名のアルバムだけです。
なのでコメダについて多くを語る資格は自分にはないが一つ言えることがある。
LESZEK MOZDZERとSATの二枚のアルバムは重複している曲が半分くらいあるが聴き比べも面白く、
どの曲も深く味わいがあり有名スタンダードに劣るものでは決して無いということ。
このアルバムはLESZEK MOZDZERがソロで演じたコメダの作品集です。
これがまあ嘆息もの。
LESZEK MOZDZERのピアノは特にタッチが素晴らしい。
濁りの無い清冽な音の煌めきが上昇下降を繰り返す。
スピード感も相当でその際の浮遊感たるや天にも昇る様。
音は重層的であり立体感があるし色彩感も素晴らしい。
ポランスキーの映画ローズマリーの赤ちゃんのテーマソングである『Sleep Safe and Warm』では右手と左手が異なるメロディを奏でるようで時に左手が厳ついハーモニーを付けたりして単に綺麗なだけの平坦でのっぺりとした演奏とは一線を画す。
10分を超える長尺の『The Law and The Fist』ではテーマのメロディがあちこちで出てくるが構成が素晴らしく飽きる事がない。
SATのコメダのアルバムがジャズの間合いで演じられてるとするとこちらはよりクラシック寄りに聞こえるかもしれない。
しかしLESZEK MOZDZERの凄さを再認識させられ、コメダの自演のアルバムを手に入れてみようと心動かされたアルバムでした。