ジャズ・ピアニストKeith Jarrettの同名ピアノソロ作品にインスパイアされたと書かれています。part one〜part fiveの5曲が納められているのですが、part 2と5はKeith Jarrettが作曲したとのクレジットがあります。ケルンにてライブ・レコーディングされたものをエディットしたそうです。またピアノが頻繁に用いられており、元ネタのサンプリングとの説もあるのですが、実際のところ良く分かりません。
基本はノイジーで不安定なエレクトロニカなのですが、ちゃんと音楽的に感じるフックが置かれていて、緊張感と親しみやすさの両方を感じる作品になっています。電子音と音楽的要素の応酬が独特の緊張感を与えます。ここでポイントとなるのがピアノ。タイトルに反してそれほど全面的に使われているわけではないのですが、ミニマルにフレーズを繰り返したり、あるいは要所要所で叙情的なフレーズを弾いたりして曲に骨格を与えています。Fennesz「Endless Summer」のギターの使い方を思い出していただければ近いかもしれません。あれほどノイジーではないですが。ただ、謎の楽器音や電子音が数多く鳴っていて、楽曲全体にイレギュラーな要素を与えています。
エレクトロニカ独特の音楽的要素対、非音楽的要素の拮抗に魅力を感じる人にお勧めします。エレクトロニカ界隈では名盤とされています。Mouse on MarsのレーベルSonigから。