70年発表の1st。ジャズ・ロックの最高峰の一つであり、フランスのプログレッシヴ・ロック・グループの代表とも言えるマグマのデビュー作。いきなり2枚組、そして本作以降の一貫したコンセプトである架空の惑星コバイヤの物語、そしてその言語であるコバイヤ語を既に使用しており、彼らがいかに成熟したアイディアを持ってグループを始動したが理解出来る。コバイア語の使用というのは単なるオリジナリティーを強調する役割に留まらず、フランス語の音楽におけるノリの悪さを(フランスという国柄もあろうが・・・) 脱英語で、克服しようとした手段だったともとれなくはないが、言語までを作り上げてしまう例は他にはなく、これだけでも彼らが孤高の存在であり、音楽史に強烈なインパクトを刻んでいることは間違いない。そしてそのインパクトはその作り上げた音楽そのものの方が強烈であり、好き嫌いははっきりと別れるが、その芸術性の高さは一聴して分かるとも思う。しかしながら本作では後に聞かれる濃厚なクセは比較的少なく、サックスやフルートなどの管楽器などを導入したジャズ・ロックといった感じで比較的聞きやすい。フリー・ジャズ、ヴォイスによる叫びにも似たアヴァンギャルド的な音楽、ザッパにも通じる現代音楽的なハーモニー、土着的な儀式のような音楽、管楽器による甘い旋律などを融合したものではあるものの、まだこの時代の他の多くのグループから大きく逸脱はしていない。プログレのファンならあまり違和感なく聞けるはずである。マグマは1stから順番に聞いた方が理解しやすいだろう。