もう、理屈じゃないです。北野武が、ビートたけしが、何をしゃべるのか、とにかく読みたいんです。こんな欲求を見事に満たしてくれる本。
全編にわたり、生い立ち・映画・テレビ・現代日本・アフリカ、などに関してモノローグ的に思うところを語ってゆく。本の体裁はフランス人記者によるインタビューということになっていますが、ほぼ独白本と言ってよいと思います。ところどころに記者の目から見た「KITANO」の解説が入ります。
正直、個別のテーマに対する考え方については、それは違うんじゃないか、と思う箇所もありました。でも、そういうことじゃないんです。当代随一のコメディアンでテレビスターで映画監督で俳優で、etc、etc...カリスマとかセレブとかそういう言葉ですら表すことができない(と私は思っています)、「たけし」という存在が、何を考え何に心を動かしているのか、それをこういう口述筆記に近い形で表すこと自体に大きな意味があると思います。
コンテンツとしては、戦場のメリークリスマスからわりと最近までの(残念ながらアウトレイジは含まれていない)、演じたor監督した映画が一連の流れとして理解できることが良かったです。