Sub Popから4ADへ移籍しての第一弾アルバム。
1曲目「Walking Far From Home」、サム・ビームは16小説のメロディーを繰り返し、繰り返し歌います。
歌詞は大体こんな感じです。(適当な訳なので細かい点はご勘弁を)
「故郷から遠く離れ、名を示すものさえ無い場所を歩いていた。建物は天国のように高く、しかしそのドアはとても小さなものだった」
「ボートいっぱいの信仰者たちが、やかましく騒ぎながら船出するのを眺めていた」
「僕は温かさに触れ、天使は”私を連れて帰ってよ”と泣き叫んでいた」
つまり、これってブルースなんだと私は思います。オースティンの片田舎で、妻と5人の娘と共に住む南部生まれの男が感じているままの。
アルバム全体としては、サム・ビーム本人が「70年代前半〜半ばにラジオからよく流れてきたようなポップミュージックのようだ」と語るように、
以前のIron&Wineの作品
Our Endless Numbered Daysなどと比べると、よりベースラインが全体を引っ張るような、仄かな高揚感をもたらす曲調が多く観られます。
サックスのイントロから、粘りのあるリズムが続く「Big Burned Hand」のように、かなりサザン・ロックに接近した曲も今まであまり無かったものと言えます。
また前述の「Walking Far From Home」や「Half Moon」のように、コーラスも音作りの重要な要素として機能しています。
彼の場合は「ハズレ」の作品は全くありませんが、本作はその中でも新たな側面を見せているという意味で、新たな代表作と言って良いのではないでしょうか。