ショスタコーヴィチが作曲した2つの「リア王」のための音楽をまとめたものです。
M1〜14が劇場用(1940年)で全部で約26分、
M15〜17がコージンツェフ監督による映画のためのもので(1970年)、全部で約28分です。
劇場用のほうは、まず壮大なM1ファンファーレ(22秒)に始まり、M2重々しい序曲とメゾソプラノによるコーデリアの歌(4分39秒)。
短いファンファーレや、晴れ晴れとした狩の曲(48秒)・・と続きます。
1分から2分程度の重くて暗い曲が多い中、まとまった形で聴けるのが、10曲の短い曲を続けたM6「道化の歌」です。
約9分にわたって様々にテンポを変えたバスによる歌が続きますが、1曲のオペラのアリアのように鑑賞できる面白い曲です。(歌唱はロシア語ですが、ドイツ語と英語の訳詞が載っています)
映画用のほうが音楽的に良い出来のようです。
物語の性格上どうしても重い音楽になってしまいますが、メロディがより自由で表情も多様、奥深さも感じます。
重々しいM16「プレリュード」(2分41秒)、沈んだ気分のM17「王の城」(2分46秒)、荘厳なM21「真実の声」(3分23秒)、ア・カペラ混声合唱によるM23「水」(4分12秒)など、2分から4分程度ですが個性的な曲が続きます。
映画で使用されたごく短い音の断片、道化が吹く笛の曲やホルンの合図なども入っており、ほんの数秒とはいえとてもユニークなメロディなので、全体を通して聴き応えがあります。
指揮はMichail Jurowski、オケはベルリン放送交響楽団
メゾソプラノはJelena Zaremba(M2),バスはStanislaw Suleimanow(M10)です。
合唱はベルリン放送合唱団(M23)です。
ちなみにコージンツェフ監督のこの「リア王」と「ハムレット」は両方ともモノクロの映像美に満ちた素晴らしいシェークスピア映画なので、併せてお薦めです。
「ハムレット」も音楽はショスタコーヴィチです。