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Kelly at Midnight
 
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Kelly at Midnight [Import] [from UK]

~ Wynton Kelly
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登録情報

  • CD (2004/11/16)
  • オリジナル盤発売日: 1960/4/27
  • ディスク枚数: 1
  • フォーマット: Import, from UK
  • レーベル: Vee-Jay
  • ASIN: B000024YHV
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
  • Amazon.co.jp ランキング: 音楽 - 220,195位 (音楽のベストセラーを見る)

    カテゴリーランキング:

    18154位 ─  音楽 > ジャズ・フュージョン > J-ジャズ

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5つ星のうち 5.0 春風に舞うタンポポみたいに……, 2008/2/11
  聴きどころは後半3曲。特にフィリーのドラミングがファンタスティック、実に痛快だ。パンパンに張ったスネア。それを本当に強くひっぱたく。スポン、スポンともう皮が破れそうな快音、くだけた楽天的な響き……常にガムシャラなフィリーでもこんな演奏は珍しい。まさに天馬空を行く、彼畢生の名パフォーマンスである。このやかましさと、ノンシャランスがハーモナイズされた“ゴールデンリズム”をとくと堪能あれ!

 そういう気ならと、挑発に乗るケリー。タッチがとことん強くなり、好戦的な態度がありあり。スピーカーから飛沫(しぶき)となってほとばしるキラキラした音の粒子。まるで釣り上げた何匹もの魚がピチピチと鍵盤上で躍っているようだ。この敵意むき出し、けんか腰のバトルは、もうスリルと迫力の連続……。

 一方、ベースのポールは中立の立場で奮戦だ。両者の間に泰然と立ち、柔らかなラインと弾力のある重低音の“エール”を送る。それが高音のみ軽躁に響くことになりかねない演奏を和ませ、三位一体のテンションの高い作品に仕上げている。もう誰がリーダーでもおかしくない〈トロイカ的名盤〉である。

 60年録音。57年頃から62年頃までがケリーの全盛期とされ、まさにピーク時の作。当時の彼を特徴づけるのは、あのワン&オンリーのタッチ、ピンポン球が無邪気に鍵盤を転がるのに似た指の触れ具合だ。その頃、彼の座右には春風が流れ、タンポポの綿毛が空を舞うような感覚で弾いていたのではないかと思えてくる。ゆらゆら気ままに、悦楽と悲しみのはざ間を行ったり来たりするケリー……。

 ところが、63年以降、雲行きが怪しくなり、急に陽が翳ったように凋落していく。その原因は同年秋に愛人のダイナ・ワシントンが亡くなったことにあるといわれている。特に晩年の65、66年頃からケリー節は影を潜め、ゲスト参加しても精彩を欠く演奏が続く。

 悲しいかな、この「ミッドナイト」とはほぼ別人だ。時折、陽気な乗りを見せるが、そこにはもう春風に舞うタンポポはない。想い出の繭にじっとこもり、かすかな風に枯葉を一、二片ずつ身辺に散らすような風情が忍びない……。
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