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気鋭の写真家・久家靖秀の2冊組ノート 端正な構図と、清澄な光の描写で被写体を捉える作品が高く評価されている写真家・久家靖秀と、コクヨが制作した「An」ノート。ノート(note)という言葉のもつ「書き留める、旋律、楽譜」といった意味から、久家が捉えた風景の覚え書き、草稿として構成した2冊組。1冊は避難指示解除後、間もない2005年2月頃の三宅島を撮影した「三宅島」、もう1冊はフランスの伝統的な塩田風景が広がるゲランド地方を撮影した「塩ノ花」。両地の固有の風景写真を、ノート見開きの片ページに印刷し、連なる旋律のように配列しています。
写真を眺めたり、書いたり 久家の写真を最大限に生かす印刷技術へのこだわりはもちろんのこと、通常写真集に使用される紙ではなく、印刷の質を落とさず、鉛筆で書ける紙を厳選し、ノートとしての書き易さも追及しました。写真集として作家の世界観を楽しむこともできますが、写真の上に気軽にメモしたり、ドーロイングしたり、作家と共作気分で日々の出来事を綴ってみてはいかがでしょう。また「塩ノ花」と「三宅島」の写真は、視点・構図が互いに関連した並びになっているとのこと。2冊を並べてページを捲りながら比較して眺めても、新たな発見がありそうです。
□作家コメント 私は、日常的に使用するノートの中で、考えを綴るというよりはむしろ、書き始めた動機とは関係のない言葉やアイデアを交叉させて、写真的なテーマを探し出すことを試みる。今回、Anノートはその名の通り、私と写真にとって、イメージがクロスする現場となった。Anノート「塩ノ花」は、2003年の同名の個展から2年経って完成したパンフレットであり、「三宅島」は2005年10月に行った個展「三宅島」のための草稿である。過去にも在り、これからも在るであろう風景を中心にした写真群を軸に、ノートの上で時間と空間が行き交い、2冊の写真集はAnノートとして配列された。それぞれの背表紙には、フランスへの空路、三宅島への海路の写真を使用している。「塩ノ花」のゲランドと、「三宅島」の阿古港の間には、私のとりとめのない数冊のノートがある。
なお、「三宅島」は一般帰島開始直後、復興支援のプロジェクトために撮影したものであり、Anノート及び個展の収益の一部を復興基金に寄与したい。くわえて、三宅島の観光地としての復活を心より願う。
□作家紹介 1962年生まれ。写真家。商業写真を中心に活動する一方で、個展「交叉/配列シリーズ」など、ギャラリーでの展示も展開。
主な書籍に、写真集「LIFT」(青幻社)、「画家」(バーナーブロス)、「絶対速度」(エンターブレイン)、「cover/girl」(朝日出版社)など。
メーカーより
60ページ、アジロ製本、コート紙(表紙)、上質紙(中紙)、2冊とも見開き右ページに写真各26点、表紙各1点、裏表紙各1点、計56点を印刷。見開き左ページが筆記部分