和の楽器・尺八で幅広い音楽の可能性を追求してきた藤原道山、藤原と一緒に音楽を創ってきたピアニストで作曲家の妹尾武、25歳で東京都交響楽団の首席チェリストに就任した古川展生、というスーパー・セッション・グループのKOBUDO-古武道-のファースト・アルバムです。
各人とも多様な音楽ジャンルに挑戦してきたわけで、その豊かな音楽経験が一番大切である豊かな歌心として伝わってきます。洋の東西を問わず、奏でられる音楽の素晴らしさを堪能できる組み合わせです。
千住明作曲の「WATER ISLAND」は、懐かしい日本の原風景を思い出させるような曲と演奏です。リーフレットにある平原に立つ1本の大きな樹のような広がりと安らぎが音楽に一杯詰まっており、このグループの特徴がよく表れている佳曲です。
古川展生作曲・妹尾武編曲の「My Little Song」では、古川による「自分が自分自身であった事をあらためて気付き、純粋な喜びが感じられる」というメッセージが伝わってきます。日本の故郷を思い起こすような郷愁が音楽から漂っているのを感じます。
藤原道山作編曲の「瀧〜Waterfall〜」は、日本的なものがインターナショナルなものへと変化し昇華する過程を聴いているかのようでした。音楽ジャンルの分類という枠組みや範疇に納まることなく、悠久の時を越えて蒼穹に融け込むような広がりを感じさせます。
カタロニア民謡「鳥の歌」は、編曲者・井上鑑のチェリストだった父親がコンサートのラストに弾いていた曲だそうで、万感の思いが音楽に込められています。古川の悲しい音色に心が動かされました。
ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番第2楽章」を3人だけで演奏しているわけで、その試みと同時に、高い完成度に驚かされました。