とまた本気なのか冗談なのかわからないことを菊地氏は言っておられましたが、
それは照れ隠しみたいなもので、ほんとはこれ、凄いアルバムだと思うんだけどなぁ。
またまた菊地氏の言葉を借りると、
「10秒ずつくらいを切り取っていくと非常にかっこいい瞬間ばっかりなんだけど、それを繋げてしまうとあれ?みたいな。」
(ニュアンスで再現してるので、実際の発言とはちょっと違うかもしれないけど)
というその言葉通りに、全体としてみると確かにつかみ所がないような印象を受けるかもしれない。
けれど、細部を追って行くとどの部分にも濃密な音の小宇宙が、もしくは亜熱帯の密林が、広がっている事を認識できるでしょう。
菊地氏が腕を振り上げるのを合図に導かれるホーン隊の立ち上がるような音の煌めき。
くすぐられるような、でも神経を研ぎすまさせられていくようなリズムの刻み。
遠い記憶の淵で鳴っているようなかすれた鍵盤の旋律。
何よりも夢中になるのは、美しい情景が浮かぶ極めて映像的なアルバムであるような気がするからです。