K-POPがなぜうまく行っているのか、についての冷静な議論というのは今まさに求められているテーマであり、その意味では着眼点は非常に良いと思う。
ただ、本書での分析は客観的な証拠を提示せずに、主観的な判断やあるいは筆者の限定的な経験だけにたよって行われており、その思考過程や結論については同意しかねる部分が多い。
また、タームの使い方に習熟しておらず、いかにも借りてきた用語でとりつくろっているように見えてしまう。(「コンテクスト」とか「大きな物語」とか本当に理解して使っているようには思えない。「フック」の使い方とか……。)そういうタームを使わなくても書ける内容だと思うので残念。
筆者は現場に近いところで多くの経験をされてきた方だとは思うのだが、ご自身で書くのではなく、同じ材料をきちんと文章が書けるライターにゆだねた方が有意義な分析になったと思われる。