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K [単行本]

三木 卓
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

1959年、〈ぼく〉は詩の同人誌で〈K〉と出会った。ふたりは結婚し、一児をなしたが、詩人としてのプライドが強すぎた〈K〉の言動は常軌を逸しはじめ、〈ぼく〉は困惑する。ふたりの生活は、すれ違い、やがて別居へと至る……。ただ、この奇妙な生活にも、「夫婦愛」は紛れもなく存在していた!

内容(「BOOK」データベースより)

円満とはいえなかった夫婦生活を、優しさとユーモアに溢れた眼差しで振り返るとき、そこにはかけがえのない「愛」と呼べるものがあった―。逝ってしまった妻・Kへの想い。半世紀に及ぶある夫婦の物語。

登録情報

  • 単行本: 234ページ
  • 出版社: 講談社 (2012/5/22)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 406217670X
  • ISBN-13: 978-4062176705
  • 発売日: 2012/5/22
  • 商品パッケージの寸法: 19 x 12.8 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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カスタマーレビュー

最も参考になったカスタマーレビュー
19 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 やさしい光 2012/7/15
投稿者 恩田侑布子
形式:単行本
 なんという小説なのか。私は最初、布団の中で読み出したら本を閉じられず、明け方まで読んでしまい、すっかり寝不足になった。ひと月たって、またお茶を飲みながら読みたくなり、ページを繰り出したら、初読とは微妙に感想が違い、ここに満ちているやさしい光はいったい何なのかと思いつつ、とうとう最後まで座りっぱなし。ふしぎな魔力のある小説である。
 妻との出会いから死までの、齟齬の多い夫婦の歴史を描いた私小説にはちがいないが、従来の「私小説」の概念はきれいさっぱりくつがえされる。軽妙でユーモラスなタッチの小説である。「ばけたらふうせん」を始め、名品童話を生み続けてきた作者ならではの、ひらがな主体の平易な文体である。それは、手触りのよさをこえて、砂浜や青畳や板の間を、夏に素足で歩くときの踏み心地、あしうらの気持ちよさを思わせる。さらさら、すんなりして、ほわーんとあたたかいやまとことばなのである。しかし、その土踏まずをくすぐるそよ風のような文章とは対照的に、半世紀の夫婦の実録風に語られる内容ときたら、おどろくほど厳しく寂しいものなのだ。平穏な夫婦として過ごした時間はごくわずか。同じ屋根の下に暮らしたのも、知り合って十年ほどの間。あとは別居生活が続く。しかも、作者はただ一生懸命文章を書いて書いて書きまくって、妻子へまるごと送金する。まるでこれじゃ貢男さんだよ。よく離婚しないな、と半ばあきれつつ
... 続きを読む ›
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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 いい小説をありがとう 2013/2/1
投稿者 村田 繭子
形式:単行本
「kのことを書く」という一文で始まるこの小説は
三木卓氏の、癌で逝った妻へのmourning work(喪の仕事)である。
そして紛う方なき私小説である。
なぜ妻、女房、うちのかみさん、ではなく、kなのか? 
それはこの作品を読了した者なら、それぞれの流儀で納得がいくことだろう。「k」という呼称を採用することによって、本作の軽やかな文体が約束された。

妻の桂子さんは詩人で、生涯にわたり詩を書き続けた。プライドが高く、やりたくないことは頑固にしようとしなかった。夫が小説に没頭し始めると、家から追い立てた。そのうち、娘に悪い影響を与えると言って、夫は自分の家の敷居をまたぐことを禁じられ、正月だけ帰宅を許された。(笑)夫婦が同居していたのは、47年間の結婚生活の間の十数年間である。それでも夫は律儀に家に稼いだお金を入れ続け、子を産んだ妻は働かなかった。
桂子さんは自分が病むと、当然とばかり夫を呼びつけ、夫は身を挺して看病した。7冊の詩集を出版したのも、三木氏の助力あってこそ、死後は全詩集が編まれた。

一つ屋根の下に、言霊はふたついらないのだ。桂子さんは三木氏が本当は一人暮らしに向いていて、執筆のためにもひとりの方がずっといいことを見抜いていたのだろう。そして自分の創作活動のためにも、夫が邪魔だっ
... 続きを読む ›
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14 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
投稿者 高城凛子
形式:単行本|Amazonで購入
夫が妻を亡くした後の追憶の本は、たくさんあるのだが、この本は、やや趣が違う。
本ともだちと言う存在がいたら、「この本読んでどう思った?」と聞いてみたくなる本がたまにある。三木卓著「Kケイ」が、そんな一冊だ。
夫婦と言うのは、謎が多いものだが、この夫婦の不可解さも半端ではない。
相性が悪かったという一言で片づけてしまえば簡単なのだが、著者は、そんな単純に言い切りたくはないのである。
なぜ合わなかったのか?それを、小説家ならではの人間観察力で読み説いたのがこの本だと言える。
二人は、詩人という共通項を持つ。しかし、夫は、“結婚とは、日々に深まってくる相手への幻滅に耐え続けることだ”と言い切るほど、溝が深い。根底にあるのは、どうやら育った環境の違いのようだ。
夫は、満州から引揚げていいた母子家庭で育ったが、妻は、八戸の大きな商店で裕福に育った。家には、女中さんもいたから家事などしたことがない。夫は、母親が働いていたので、兄と家事を分担してきたから家事をするのはごく当たり前の日常なのだから、そこからして違う。
もちろん金銭感覚も呆然とするほど違うのだが、何より夫が戸惑ったのは、妻が、「身内とだって同じ部屋で暮らせないのに、結婚なんてできるはずがない」と自分で言ってしまうほどの結婚不適応症だったことだろう。
30
... 続きを読む ›
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14 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 ああ! これが詩人の魂…。 2012/5/31
投稿者 やじうま
形式:単行本
40年以上の長きにわたり連れ添った、妻への鎮魂の書だ。
 今まで書くことのなかった夫人について赤裸々に語り、
凄惨な闘病生活について語る。
 自らの内面をさらけ出しながらも含羞に満ち、言葉が
美しく紡がれてゆく。
 夫人の生い立ち、出会いから結婚、出産。
 後には半分別居の生活であったにも拘らず、二人をつなげて
いたものは何だっのか。
 読了後にきっと、読者は等しく納得するものがあることだろう。

『…大きな青筋の立っているような大きな乳房から熱い母乳を
容赦なく、ぐいぐいと飲んだのである。乳母は抱いている小さな
生命から、ぐいぐいと母乳を飲まれた。』

いかにも著者らしい、詩人の文章に惹きつけられ一気に読んだ。
本書は「裸足と貝殻」「柴笛と地図」につづく3部作と言えるが、
最秀作となった。
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最近のカスタマーレビュー
5つ星のうち 5.0 三木 卓  「k」
非常に綺麗な状態で受け取ることができました。商品の発送、梱包も事前にお知らせを頂きました通りでしたので、満足しております。
投稿日: 11か月前 投稿者: 岩下 朋子
5つ星のうち 5.0 精いっぱいの愛情
 夫婦が詩人同士なら、その分野で理解しあえるから、より絆の深い夫婦仲になるだろうと想像するのだが、そうではないらしい。(少なくても表面的には)... 続きを読む
投稿日: 2012/9/9 投稿者: そよぎの風
5つ星のうち 4.0 不思議だが確かな夫婦愛の物語
誰もがそうであるように,筆者の三木は青春の日々に一人の女性と出会う。やがて妻になるKである。貧しかったが,二人とも若さと怖いもの知らずのエネルギーも確かに持ってい... 続きを読む
投稿日: 2012/9/8 投稿者: およよ
5つ星のうち 5.0 小説のような、実録のような。
... 続きを読む
投稿日: 2012/8/28 投稿者: 小谷野敦
5つ星のうち 5.0 作家の亡き妻へのレクイエム
三木... 続きを読む
投稿日: 2012/7/26 投稿者: hiroshi
5つ星のうち 5.0 誰かのことを知りたいと思ったら
きれいごと、のろけ一切なし。こんな夫婦の物語は初めて読んだ。... 続きを読む
投稿日: 2012/7/21 投稿者: 金村小雪
5つ星のうち 4.0 つらくても、やがて面白き?
障害をもち、もてやしないと思っていた自分のところに「家出」して転がり込んできたK。その僥倖にとまどいつつも、お金を稼がなくちゃと頑張る「ぼく」。でも、その彼女は、... 続きを読む
投稿日: 2012/7/1 投稿者: unknown poet
5つ星のうち 4.0 妻の介護録であると同時に半自叙伝
そもそも夫婦というものはあかの他人であるからして、喜びも悲しみも幾年月、とうてい予定調和の一筋縄の結着をみるわけにはいかない複雑怪奇の関係性をけみするはずのもので... 続きを読む
投稿日: 2012/6/23 投稿者: あまでうす
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