1957年にウィットフォーゲルが東洋的専制主義を唱え、日本史学会にセンセーショナルな話題を提供しました。その歴史理論は一般人には難解ですが、本書は丹念に原典にあたって検証した石井知章氏の労作だと思います。
いまなぜウィットフォーゲルの「東洋的社会論」 なのか?(アジア的復古の発見、マルクスのアジア社会論とオリエンタリズム批判、アジア的停滞論と帝国主義の正当化問題、戦時期マルクス主義とアジア的生産様式論、本書の目的)、
ウィットフォーゲルと東洋的社会、東洋的社会における第二の自然(労働と自然、 地理的唯物論批判、生産様式と自然、第二の自然の発見、水力と権力)、
東洋的社会における国家と社会(水力社会と労働力の組織化、水力社会と水力国家、水力社会と村落共同体)、
東洋的専制主義の位相(東洋的専制主義の自然的基礎、東洋的専制主義の社会的基礎、東洋的専制主義の支配原理)、
東洋的社会における市民社会の展望 中国の郷紳とギルドをめぐって(中国の村落共同体と郷紳、S・N・アイゼンシュタットによるウィットフォーゲル批判、中国のギルドとその非政治性をめぐる再検討)、
東洋的社会 としての中国・北朝鮮、ウィットフォーゲルと中国問題(毛沢東時代とアジア的なものをめぐる理論と実際、とう小平時代とアジア的なものをめぐる理論と実際、民主化運動の進展とブルジョア自由化反対、趙紫陽の社会主義初級段階論と東洋的専制主義、河殤問題と東洋的専制主義、天安門事件と東洋的専制主義の再現、劉暁波による東洋的専制主義批判、ポスト天安門事件時代とアジア的なものの再タブー化)、
ウィットフォーゲルと北朝鮮問題(朝鮮社会経済史研究とアジア的生産様式論、朝鮮民主主義人民共和国の成立、金日成体制の成立)。