NHKで放送された、『ハーバード白熱教室』の授業の副読本。授業で取り上げられる論点や論法は、かなり分かり易く整理されている。 その数々の意見文の原典(カントやアリストテレスは英訳)が、かなりまとまった形で取り上げられている。 授業では簡潔に「リバタリアニズム」とだけ説明されるな考えも、ノージック、フリードマンそしてハイエクの有名な著作の引用で味わうことができる。 他の方のレビューではこれがテレビの内容を書いた教科書かのような記述があるが、それは違う。確かにテレビで見知らぬ日本人男性が持っているのはこの本。しかし授業の内容の引用元・資料集なので念の為。リーディングアサインメントという、授業の前の読書課題がまとまった便利な本。まあリーダーとタイトルにあるから間違わないとは思うが…。いつも彼は真ん中あたりをみているが、カントかロールズの文章があの辺です。 後半にサンデル自身の文章がいくつかあり、彼があまり授業で強調しない自身の思想を窺わせる。ロールズの文と対で章立てしてあったりするし。日本語訳された本の帯にコミュニタリアニズムとか書いてあるが、それはあちらに書いてないので、読みたければこちらを。とはいえ共和制については殆ど言及されません。ハミルトンの文章も入ってないし。主題が倫理じゃなくて自由の担保や体制の是非など制度論だからかな。 これまた老婆心だが、古い文章で今は使われない単語やその用法、法律文章特有の文体など、なかなか歯ごたえがある。ほぼ授業と同内容でやさしい英語の分かり易いの教科書の方とは違い、あれが読めたり二重音声で英語が少し聞き取れるくらいだと、かなりシンドイ読書になる。 いろんな人の主要著作の主要部分が読めるので、オムニバス好きで思想書好きな方にはオススメです。岩波文庫には訳されていないロックの市民政府二論(統治論二篇とか今は書いてあるんかな)の二も入ってるし。 しかし、ヘラルドトリビューンの論説分からないくらいなら買っても読み進められません。 以上、やや苦労して読んだご報告でした。