器楽あり声楽あり。レオンハルト老師の功績を見渡すのに最適です。 モダン楽器とピリオド楽器はそれぞれに魅力があるのであって、決して敵対したり優劣をつけたりしてはいけないだろう。グールドとレオンハルトはそれぞれお互い真似のできない境地に至った。 とはいえロマン派音楽運動が、古典派やバロックを偏って解釈し魅力を殺していた面は確かにある。そして二十世紀初頭から恣意的な解釈を廃した「原典に忠実な演奏」は試みられていた。 だが当時の「原典に忠実」な演奏に広く楽しまれる芸術品として魅力があったかといえば、それは疑問視されざるをえない。 古楽は広く楽しまれるだけの魅力があるのか?単なる好奇心や懐古趣味の暇つぶしではないか?こういう疑問に正面からこたえ、聴衆を驚かせ新しい楽しみを与えたのは、外ならぬレオンハルト老師やブリュッヘン、クイケン兄弟だった。彼らによって古楽は芸術になった。 その一歩一歩をレオンハルト老師の仕事を通してまとめたのが本企画だ。ぜひ古楽に浸ってもらいたい。