10年以上前に手にした「あの夏の最後の日」と比べてみると、本が2まわり大きくなり、厚みは倍になった以上に、
白黒であったのが全頁フルカラーになった点(9〜187頁まで、偶数頁に写真が無いところが半分位ありますが)で
「芸術」にしようと力んでいた念が抜けて、空気まで柔らかく映っているように感じます。
大理石やブロンズの彫像のように硬質であった素肌が、今回は陽の光に照らされて様々な陰影を残します。
ど素人ながら人にカメラを向けていて最近痛感するのが「カメラマンとモデルとの信頼が写真に残る」こと。
この写真集は、生まれたままの姿で過ごす人にカメラを向けて残したものです。
カメラマンが男性である以上、モデルに女性が若干多いことも当然でしょう。
照れ隠しのピースや笑顔など無く、けれど確かにカメラマンに対し一片の疑念はありません。
わが国にも確かにあった、自然の中で自然に過ごす人、そして人と人の信頼、そんな憧憬の想いを起こさせる、貴重だけど「特別で無い」写真の数々です。