元々チック・コリアのファンで、特に「スペイン」という曲を学生時代からずっと聞いています。出だしはアランフェス協奏曲の第2楽章で聞けばすぐにわかります。途中から狭いジャズ喫茶の中が広大な空間になるような音の広がりと飛翔感があり、もう30年ほどずっと聞いています。その「スペイン」を歌っているのがこの中島紅音です。「スペイン」に歌詞がついているとは30年間思ってもみず、どんな歌か興味津々で試聴せずにCDを注文しました。
中島紅音を選んだのは、前のアルバムに入っていた「All the things you are」がものすごくよかったからです。割と古いジャズの名曲でいろんなアーティストが歌ったり、演奏したりしていますが、たぶん歌うには難しい歌だと思います。でもすばらしい曲です。ピアノではHampton Hawesが一番好きです。この中島紅音の歌をきっかけに様々なアーティストの演奏を聞き比べました。
チック・コリアの「スペイン」を聞き慣れた耳にとって、中島紅音の「スペイン」は違和感があるどころか、鳥肌が立つくらい衝撃的にすばらしい歌でした。歌というよりは、以前感じた広大な空間の中に、中島紅音の声がさながらひとつの楽器のようになり、音色が自由自在に飛翔するのを感じました。すばらしいと思います。