このピアニスト、初めて聴きました。
54年録音なので、音質はお世辞にもいいとは言えませんが、演奏は素晴らしいです。
曲は多かれ少なかれお馴染みのスタンダード。いかにも当時のピアノトリオらしく、
ほとんどが3分前後というコンパクトさです。#1〜#13はバラード主体で、全体と
してまとまりのある構成。ヘイグのピアノはいずれも快適に流れ、趣味のよいメロデ
ィーラインと適度な装飾的フレーズがとても心地よいです。
#14以降は比較的リズミックで特徴的な曲想のナンバーが続きます。ここでのヘイグ
は結構おもしろいジャズスピリットを感じさせますが、決して恣意的に音楽の形を歪
めてしまうことはありません。 あくまで端正で美しいのです。
こういう絶妙なバランス感覚の演奏を聴くと、弾き手の音楽的知性というか教養さえ
感じてしまうほどです。ノリのよい、ご機嫌な演奏というだけでなく、「ジャズもやっぱ
り美しくなきゃ」と考える聴き手には、おすすめの1枚といえるでしょう。
何度聴き通しても75分(超お得!)があっという間です。