これ以上ないというぐらい欲張りな計算流体力学の手引き書である。日本混相流学会向けの講義内容を元ネタにしているためか,全体を通して内容の「幹」がしっかりしており,これだけ豊富な話題を200頁程度に押し込めた割には意外と理解しやすい。第1章に最低限のJAVA文法とグラフィック関連のサンプルコードを解説してある点も親切。初心者にとっては(紙と鉛筆を用意して手で追っていけば充分理解できるレベルだが)若干内容が整理されすぎているため,ひとつひとつにもう少し詳しい解説が必要かもしれない。計算流体力学を志す人の悩みのタネは,計算結果の可視化であることが多いが,JAVAである程度克服できることがわかる良書である。