昨年(‘10年)は、男性R&Bシンガーの当たり年だった。
J・ショーン、T・クルーズ、T・ソングスなど、米国のみならず他地域のアーチストにもスポットライトが当たり、それぞれ一気に大ブレイクを果たした。
そんな中、ブライテストホープとして挙げられるのが、B.O.Bとのコラボが奏効して大きな成功を収めたブルーノ・マーズと、タイガー・ウッズの浮気が後押しした(笑)『WHATCHA SAY』のヒットで急浮上したジェイソン・デルーロの二人だろう。
本作は、そんなジェイソンのデビューアルバムだ。
最も旬なR&Bサウンドを聞かせる前述の『WHATCHA SAY』でスタートする本作ではあるが、全体通して聴き進んでいくと、意外にもかなりポップ/ロック寄りの楽曲が多いことに驚かされる。
ソウルミュージックの泥臭さが、相当にセーヴされているといった印象だ。
全ての楽曲がそつなくまとまっていて、非常に聴きやすく、ジャンルに拘らない明快さを保持しているように思う。
こういった形のR&Bは、クレイグ・デイヴィッドなど英国系に多いようにも思うが、本場アメリカにおいてもこれほどのヒットを記録するというのは、シーン全体の潮流が、やや変化してきているのかもしれない、などと考えさせられたりもした。
余りにも無難に出来上がり過ぎていて、若干面白みに欠けるという側面も無きにしも非ずだが、新人のデビュー作としてはまずまずの内容だろう。
ヴォーカリストとしての力量は間違いなく一級品であるだけに、今後の更なる飛躍が大いに期待されるところだ。