映像技術が進歩し、それぞれの監督が持ち味を持っているのは分かった。映像として。おもしろいなー、味があるなー、というのは、理解できるんだ。しかし、それを披露するだけで、生かすことができていないのは、作品としての欠陥ではないのか。
正直言って、「机上の空論」以外、おもしろいと思えなかった。
「机上の空論」は、ラーメンズという、お笑いからスタートした二人組みが絡む作品で、シュールさとリアルさを混合し、ニヤリと笑わせる彼らの持ち味がよく出ているな、と思った。
「クリーンルーム」は、主人公二人の表情で魅せる。無菌室に閉じこもる少女の心の開放を抽象的に表現して・・・・いるのだが、いかんせん退屈すぎる。麻生久美子の落ち着いたキャラにイライラしてしまうくらいだった。
「フープズメンソウル」は、エクストリーム系スポーツのアクションが組み込まれているが、その妙技の迫力が全く伝わってこない。簡単そうに見えるくらいだ。お笑いの要素も盛り込んだつもりなのだろうが、わざとらしくて鼻白む。そのあたりに時間を使いすぎているのか、ストーリーが短編として全くまとまっていない。
「ファスナー」は、モノクロ基調の映像がノスタルジックであったり、シャープだったりする。一人の少年の心の冒険をメタフィジカルに表現しているのだが、クライマックスで本人が語り始めてしまう。せっかくそこまで細切れの映像で表現したことを、言葉でまとめてしまっては負けじゃないのだろうか? という思いが沸いてしまい、グロテスクなシーンを受け入れる寛容さを投げ捨ててしまった。
こういうのをおもしろいと思えないのは、センスないんじゃないの?と押し付けられてるような気までした。