JESUS 砂塵航路 11巻「闇のカーネヴァル」です。
ファン待望の最新刊ですが……正直、本巻に高い評価はつけられません。
既刊購入者の方は、本作が『ヤングガンガン』連載中の「死がふたりを分かつまで」とクロスオーバーしているのは、ご承知済みだと思います。
これまでは、それが良い方向に作用し、互いが互いの作品には無い味を加え合って、より面白い作品を生み出してきました。ですが本巻は、それが裏目に出た構成になってしまっている気がして、仕方がないのです。
前巻、前々巻までは「死がふた」をお読みでない方でも、比較的わかりやすい内容でした。
しかし本巻は、漆黒部隊の精鋭『トランプ』との戦い及び、ジーザス・雁人・護の三つ巴の死闘がほぼ丸々すっ飛ばされており、はっきり言って「死がふた」も読んでいないと、全然物足りない巻になってしまっているのです。
私は両作品とも購入して読んでいるから繋がりますが、「死がふた」をお読みでない方には「何が何だか」という感じでしょう。
「そんな奴はいない」「じゃあ『死がふたりを分かつまで』を買って読め」というのは、乱暴すぎます。本来、作品というものは、それ単体でも充分に満足できる内容になっていないといけないはずです。
極端なことを言えば、同じ事件でも「七月・藤原版」「たかしげ・DOUBLE-S版」と、全く違った切り口で描かれた方が良かったのではないでしょうか。
たとえその結果が、もう片方の作品の「if(もしも)」を描く形になったとしても、私はその方がはるかに読み応えがあったんじゃないかと思います。あくまで個人的な感想にすぎませんが……。