JBossの広大な世界を1冊の本で解説しようなんて、無茶な話しです。しかしながら本書は、単なる使い方マニュアルに終始することなく、アーキテクチャの解説やそうなった理由のポイントをうまく説明してくれて、1冊の本でよくここまで教えてくれると感心させられます。
個人的には、新しいプラットフォームを使ってみる前に内部の構成や仕組みを一通り理解しておきたい派なのですが、JBossの世界は広大すぎるので、このやり方で独学すると、使い始めるまでに何年もかかってしまいます(←いや、皆さんならもっと短期間で済むと思いますが)。
本書はこの点でもよく考えられており、「ちょっと使ってみる」と「ちょっと仕組みを勉強する」の繰り返しのバランスが絶妙なので、広く浅くではありますが、ある程度使えて理解もできるように導いてくれます。このおかげで、より詳しく理解したいときに「何について調べればよいか」が分かるようになりました。そう、「何が分からないか」を分からせてくれたのです。
1冊ですべてを解説しきれない広大な世界の解説書にとって、これはとても重要なことだと思います。
更に素晴らしい点は、独学でいつも困ることですが、「え?なんで?」と疑問を感じた時に、ページをめくるとコラムで解説されていたり(たぶん、著者も過去に同じ疑問を感じたのでしょう)、現在の設計になった理由のピンポイントな説明などで納得させてくれることです。
ターゲット読者として、JSPやStrutsの経験者と書かれていますが、これらの経験がなくても、Webアプリケーションの開発経験があれば大丈夫だと思います。ただし興味は必須です。
自分の開発業務で起きている問題を、フレームワークの決定版を導入することで何とか解決したい!という気持ちを持って読む人に、是非おすすめしたいです。