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107 人中、106人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
日本人が書けなかった労作,
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レビュー対象商品: JAPROCKSAMPLER ジャップ・ロック・サンプラー -戦後、日本人がどのようにして独自の音楽を模索してきたか- (単行本(ソフトカバー))
1位 フラワー・トラヴェリン・バンド 「SATORI」2位 スピード・グルー&シンキ 「イヴ 前夜」 3位 裸のラリーズ 「HEAVIER THAN A DEATH IN THE FAMILY」 4位 ファー・イースト・ファミリー・バンド「多元宇宙への旅」 5位 J.A.シーザー 「国境巡礼歌」 本書巻末の「著者のトップ50」に掲げられた上位のアルバムを見ただけでも、ジュリアン・コープが日本のどのようなロックに関心を抱き、評価しているのかがわかると思います。 本書では、日本の1960年代から1970年代後半にかけてのアンダーグラウンド・ロック・シーンが体系的に説き明かされています。 日本の音楽誌が重きを置きたがるはっぴいえんどやYMO等には全くといっていいほど言及がなく、内外のサイケ・プログレ系リスナーに人気の高いフラワー・トラヴェリン・バンドや裸のラリーズ、J.A.シーザー、マジカル・パワー・マコといったミュージシャンの解説に多くの熱意が注がれています。 音楽性についての評価にも日本の音楽誌のような遠慮がなく、良し悪しの基準がはっきりしています。例えば村八分に対しては終始(極めて)否定的なトーンですし、一方で外道については、彼が当初村八分に期待していたサウンドを持っていたと持ち上げています。あえて名前を挙げませんが、コレクターマーケットで高値がつくいくつかのミュージシャンのアルバムを「クズ」とこき下ろしてもいます。 ただ、スタンスが明快なことから、読み手が著者との音楽的嗜好の距離感を測りやすく、否定的な評価があっても不愉快な感じは受けません。むしろ痛快に感じる部分が多いです。 原書を読んだ時点で気になってはいましたが、事実関係の誤認は非常に多いです。日本版では明らかに誤っている箇所については注記が付されているほか、こうした疑問点に関しての折田育造氏(日本音楽業界の重鎮)へのインタビューが加えられています。折田氏は原書に対しかなり辛口の意見を述べられています。また近田春夫氏とマーティ・フリードマン氏の対談も加えられており、面白い読み物になっています。 日本版は日本の音楽事情に通じた編集部の監修による丁寧な造りですが、原書にあった索引は残してほしかったと思います。 結論めいたことをいいますと、とてつもない労作だということです。日本にはこれまで類書は皆無といっていい状況でした。言葉の壁もあり、資料を掘り起こすのもとてつもなく困難な作業だったと思います。またこうした日本のロックの海外への紹介は本来日本の音楽評論家が果たすべき役割であったはずです。その意味でも本書には批判より賞賛が向けられてしかるべきかと思います。海外で今後本書が日本のロックについての基本的な解説書になるであろうということには、一抹の不安を覚えないでもないですが。
26 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ロック版『ロバート・ホワイティング』奇書!,
By 詠み人知らす (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: JAPROCKSAMPLER ジャップ・ロック・サンプラー -戦後、日本人がどのようにして独自の音楽を模索してきたか- (単行本(ソフトカバー))
既に的確なレヴューがあるので、簡潔に書きますが、まさに奇書です。これこそねじ曲げられた日本のロックシーン。作品の評価は個人的なものなので、外国人の偏見はあるものの、違和感はありませんが、ミュージシャンのバイオなど、抱腹絶倒もの(ネタバレするのでここには書きません)。筒井康隆の『色眼鏡のラプソディ』、小林信彦の『ちはやぶる奥の細道』『 すばらしき日本野球』のよう! パロディ小説、いや不条理小説のような感触であります。そこまで言わなくとも、曲解ノンフィクション『東京アンダーワールド』『菊とバット』のロバート・ホワイティングと例えてもいい。もちろん否定的に捉えているのではありません。日本語という言語の障害や、豊富とは言えないテキストを元にしているだけに、不明点は著者の想像、妄想で補完されているのは明白。シーザーの安部譲二の説明など、言葉を失います。テキストの引用文など、日本語を英語に訳したわけだが、日本語版にするため、さらに日本語に戻すという伝言ゲームのような作業が、より本書をキテレツにしている。悪いことは言いません。絶対に読むべし。買えとまではいいませんので、立ち読みでもいいです。
34 人中、26人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ロックの熱病が伝染する本,
By TOMOKIX (金沢市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: JAPROCKSAMPLER ジャップ・ロック・サンプラー -戦後、日本人がどのようにして独自の音楽を模索してきたか- (単行本(ソフトカバー))
事実誤認だの、スペルミスだのくだらない揚げ足取りを、わざわざ当事者まで引っ張りだして解説させるほど、貶しているのか?激賞しているのか?邦訳出版の意図を疑いたくなるが 本来であれば陽の目を見ることもなく、埋もれていた音楽に「これを聴け!日本人よ!」と くだらない似非ロックに騙され続ける、日本人にJ・コープは呼びかけている。 本書では、その後書きですら全く著者であるJ・コープのプロフィールもおろか、ディスコグラフィー にも触れていないが(糞業界人が、「J・コープって誰よ」て感じでホザイているがお前こそ誰?) つい最近も新作「Black Sheep」を発表したばかりの、正真正銘筋金入りの「ろけんろーら」である。 内田裕也をリスペクトするのも何だかうなづける話である。 かつて、アイランドレコードに所属している時は、新作発表と共に来日してくれた。「セイントジュリアン」 を引っさげてのジャパンツアー大阪公演に行ったのだが、当時話題になった「腹切り」パフォーマンスに 興奮したオーディエンスがステージに殺到し、サンケイホールの椅子がぶっ壊れたのを今でも憶えている。 クレイジーでサイケで、すごくフレンドリーなジュリアンのライブはいつも最高だった。 本書の影響でもあるまいが、トラベリンバンドが新作を発表した。日本のロックリスナーは、J・コープにこそ 目を向けるべきだ。そして、是非、もう一度日本にやって来てほしいと願う。
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