そもそも、楽器が何もできないのに、こうした作曲ができる事自体、驚くべきことなのだが、その独特の歌唱法を巧みにコントロールしきれていることまで考えると、実に才能に恵まれたアーティストなんだなあと感じてしまう。
今回のアルバムではそれまでのやり方から、バンドスタイルに移行して、あまり彼女の声が突出することは無いのだが、それでも完成度が高いので、かなりの水準に到達している。
安藤裕子はライブの前にはいつも極度の緊張で嘔吐して、トイレに閉じこもるそうだが、アルバム録音の時も本番テイクになると、やはり極度の緊張から、上手く歌えなくなってしまうということをラジオで話していた。
そういうことから勝手に考えてみると、安藤裕子という人は才能だけで気楽にやっている人なのでは無く、いつも自分自身をギリギリまで追い込んで、その極限からアーティスト活動をするタイプの人だということが分かる。
なるほど、それでライブでもあれだけのパフォーマンスができるのだろう・・・。
前作までのアルバムが好きな人にとっては、本作では安藤の声が聴き足りないように思われる鴨しれないし、実際そういう人は少くないと思うが、私はこういう大人のアルバム的な方向性は、嫌いではない。
インナーのフォトがとても美しく、見とれてしまう。