「人は愚かで人生はあまりにもはかない。ならば、私は私を精いっぱい表現しながら生きていくしかない、と吹っ切れた。」
庄司紗矢香さんを紹介していたasahi.comの記事の中で、この一文がとても印象に残っていました。
「私を精いっぱい表現しながら生きていく」という、一人のヴァイオリニストの心のメッセージが、バッハとレーガーの無伴奏作品を収めた、この2枚のCDに込められているようなイメージがしました。
この演奏は、パリのランファン・ジェジュ教会で録音されたそうで、教会独特の荘厳で、そして清らかな気高い響きが、聴く人の心の中に広がっていくかのようです。
この世に無伴奏ヴァイオリン作品を収めたCDは数有れど、これほどまでに録音が優秀なものは、珍しいのではないかと思います。
ジャケットは厚紙で、フランス語、英語、そして日本語の解説書が付いており、2枚のCD、ジャケットともカラーは「ホワイト」を基調とし、装飾的なデザインが全く無いような素朴なものですが、「吹っ切れた」すがすがしい姿の庄司紗矢香さんに巡り会えたような、そんな印象を受けました。
おそらく、今年の最優秀録音の一つに数えられるであろう、傑作の作品だと思いました。