Jリーグ、浦和レッズの入団テストを受けに1人の小柄ではしこい少年がやってきた。彼の名は赤星鷹、17歳。不合格にもめげず、何度もごねて本橋と対戦した後に、偶然監督の目にとまり二軍への入団を果たしてしまう。
見た目とは裏腹でしたたかな参謀、鷹の入団とともに本橋が引退。体は丈夫だが、気は小さい貧乏症のFW北村は鷹に「アジアの大砲にしてやるぜ」と宣言されるがふりまわされっぱなし。プライド高く努力家でバツイチのGKの富永は帰国子女の新人・上條が現れあせっている。上條は優れた資質を持ちながら、内気で声をかけもできず浮いている。富永をフォローするDF嶋は穏やかで常に前向きだが、富永と同様体はもうボロボロ。サッカーに飢え、どん底を過ごしていたタフで捨て身の太一はブラジルでやっとスカウトされた。監督に密かに「ラインディフェンスのために使い捨て」宣言された本郷が加わって…。故障を抱えるベテランと若き新人がJリーグに殴りこみをかける。
作者は1983年、「週刊少年マガジン」にてデビュー。月刊マーガレット等にも投稿しており、少女向けの作品が掲載された。少し前に中国の歴史ものを描いていたがぱっとしなかった。やはりこの人はスポーツが似合います。デビュー当時は真人の名で連載していた。男名にしろといわれたのだろう。
スポ根物を面白いとも思わない自分ですが、この人の作品だけは全読破。サッカーのルールすら知らない自分に一気読みさせてしまう才覚。脱帽です。それだけ人物描写に優れ、エピソードが優れています。この後、飛翔編、完全燃焼編と続きどんどん絵が綺麗になっていきますが、本編が一番面白かった。スピード感・躍動感に優れ、静と動を見事に描き分ける達者な絵です。緻密で書き込まれた原稿は女性ならではの几帳面さが伺えます。
ちょうどJリーグが開催されたころに連載が始まり、実にタイムリーだった。夢が夢でなくなったそんな勢いがあまってか、連載はエンドレスで続きます。本編14巻、飛翔編10巻、完全燃焼編8巻の大作です。一気に読むとなお面白い。誰にでも自信を持って進められる健全コミックです。