まず、私が志方あきこファンであり、他の作曲家の方々については知識あるいは先入観のない状態からの感想であることを明記しておきます。
全体に、コンセプト通りのうつくしい音楽であると思います。
志方あきこさんが歌唱を担当している「カリオペ」「テルプシコラ」「ポリュムニア」は、響き渡るその歌声によって、どれも文句なしに、幻想的世界への入り口となってくれます。三曲目「エラト」もそうですが、これは少し趣が違って、『廃墟と楽園』の「ラヂヲ予報」を彷彿とさせるかわいらしさのある曲調です。
あえてひとつ難点を挙げるとすれば、個々の曲におけるメリハリが弱く、「聴かせる音楽」というよりは「流す音楽」という印象が強かった気がすることでしょうか。良くも悪くもBGM的。ゲーム音楽等を手がける方々の作曲ということで、やむを得ないところかもしれませんが。
ただこれは最初の感想であって、音楽というのは、何度も繰り返し聴くことによって印象や好き嫌いはある程度変化するものです(少なくとも私はそうです)。そういう点でこのアルバムは、聞き込むことによって味の出てくるものではないかと思います。
純然たる志方あきこファンにとっては少し物足りないところもありますが、全体を通して穏やかでうつくしい音楽であること、これは間違いないと思います。