NJのカオティック/マス・コアの雄の3枚目。プロデュースは引き続きSteve Evetts。
Pink Floydの「The Dark Side of the Moon」を思わせるアートワークに興をそそられる。
そしてアートワークと呼応するように、よりプログレ/エレクトロ色豊かな作品になった。
一聴してまず、これまでの彼らの音源の中で一番の音質の良さに気付く。
特にドラムの音圧は楽曲の切れ味を何割か増しにしている。
iTunes限定のEP「Plaglarism」でのカバー曲で見せたようなM-3、M-11におけるNIN、
そしてM-4、M-7におけるAutechreやAphex Twinのような神経症エレクトロなどの要素により
これまで以上に彼らの音世界の狂気の振り幅が広がったよう感じる。
また共演したMike PattonのTomahawkのようなトライバルなリズムを刻むM-5や、
彼らにしてはめずらしいルージィなパンク・ロックにホーンの絡みが心地よいM-9などの曲が、
絶妙なスパイスとなってアルバム全体に起伏を与えている。
Gregの緩急自在のヴォーカルが、バンドとしての楽曲の振り幅に大きく貢献しているのだろう。
前任のDimitri在籍時の「Calculating Infinity」の頃に比べ、非常にバラエティ豊かな構成になった。
また、バンドのリーダーであるBenjaminによるサウンド・デザインが素晴らしい。
このジャンルのオピニオンとしての面目躍如といったところだろう。
前作における新機軸をより磨くことにより、新たなDEPのサウンドとして確立する事に成功した今作。
「Calculating Infinity」に引けを取らない傑作に仕上がったと思う。