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株式市場の存在が国内でさえ知られていなかったり、市場の不振にあえいでいたりする国、誰も投資をしたいとは思わない国を直に見て、その国の人々、農地、資源開発の様子や、政府の株式市場に対する姿勢(振興のために税金を免除するとか通貨を規制なく引き上げることができるようにするとか)を、政府の要人と直接話すことでつかみ、その国に投資するかどうかを次々に判断して行きます。
投資家ならずとも彼の姿勢は見倣うべきものです。
一読して思ったことは、彼の投資は信念やイデオロギーに基づいているのだということ。国家統制主義の弊害については繰り返し述べられています。そして、その自らの信念に合致するかどうかを徹底的に調べる姿勢も驚嘆に値します。何しろ、大富豪でありながら生命のリスクを犯してまでバイクで世界一周してしまうのですから。ここまでくると、彼の投資は大儲けするためというよりも、むしろ自分の信念や世界観が正しいことを証明するために行っているのではないかと思えてきます。
旅行好きの人、投資に興味のある人、マクロ経済政策に興味のある人、いずれの方にも楽しめる本だと思います。
そればかりではなく、「著者の本領である投資についての考え方や手法が現れているところに重点を置くことにしたため、訳出した章でも、同行者であるタバサとの口喧嘩や仲直りといったやりとりや、オートバイによるツーリングの記述については割愛した部分がある」(訳者あとがきより)とのこと。
そのため紀行本としては物足りなさを感じざるを得ません。省かれた国のことも気になります。
著者のキラリと光る着眼に深くうなずきつつ、ああ残念、と思ってしまうのであります。
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