エモとパワーポップに「円熟」というのは賛辞じゃなくて引退勧告みたいな文句なのかもしれないが、
JEWは本作を持って円熟の域に達したのだと思う。
迷いくすぶるかのようなところにエモをぶつけた前作までから一皮むけて、
彼ら本来の魅力であるピアノ使いの生きる比類ないメロディセンスが実った
名曲ぞろいのアルバムになったと思う。
お気に入りはM-3,6あたり。円熟したこみあげ度合いときたらハンパない。
今作のようにミディアム・ナンバーの多い落ち着いた雰囲気のアルバムには、
かつてのように「ザ・キャッチー」と言わんばかりの若きお家芸で、
汗と涙をひっちゃき流して、笑顔で踊るような感じの曲はなくとも、
期待値を裏切らないで、時折ちゃんとほろりと来させて湧き踊るところは嬉しい限り。
共に歳をとってきたJEWファンには賛否両論あるのかもしれないけど、
深いところでこれからも存在し続ける、絶対王者の称号を差し上げたい。