自由化に舵を切ろうとした当時のチェコスロバキア政府に対する、ソヴィエト連邦の答えが1968年の「チェコ侵攻=Invasion Prague」だった。ここにプラハの春は終焉を迎えるが、共産圏の過酷な情報統制下で侵攻をつぶさに記録した写真が海外に「流出」する。その貴重な全貌を収めたものがこの写真集である。撮影したのは当時無名だったその人、Josef Koudelkaである。
おそらく「プラハの春」40周年を記念しての写真集発行なのだと思うが、時を経ても変わらない当時の緊迫したプラハ市内の情勢をあますところなく、そして刻一刻と伝えるこの稀有なドキュメンタリー集は歴史的にも一見の価値あり。また、その後の彼のキャリアから見ても純粋なフォトドキュメンタリーを敢行したのは、後にも先にもこの時だけではないだろうか?その意味ではクーデルカの出発点ともなった写真集でもあり、歴史的価値と同時に彼の足跡を知る上でも非常に意味のある一冊である。