先行シングル“Invaders Must Die”と“Omen”、そして去年のサマソニで披露された“World's On Fire”を聴いた時点でアルバムのクオリティは保証されたも同然だったけど、これがもう回春の出来。ダンスフロアにアタッキング・ビートを持ち込み、逆にロック・リスナーにレイヴの快楽を植えつけたパイオニアとしての地力を、これでもかとみせつけてくれている。
この「侵略者死すべし」というタイトル、「俺らの仲を裂こうとする奴らは許さねえ!」ということらしい。なんか、意外と清々しい理由だった。
前作『Always〜』はリアム・ハウレットが一人で作っちゃったアルバム。そんな、ロックバンドではほとんど有り得ない事態になってしまえば、当然メンバー間の不和が囁かれるのも、小さな火種が色んな人が絡んでいつの間にか大きくなってしまったことだってあったんだろう。
だからこそ、『Fat Of The Land』=『蟹盤』以来11年ぶりにキース、マキシムを交えオリジナルメンバー3人が一丸となって生まれた本作は、プロディジーとは何ぞやという問いを突き詰めたシンプルなアルバムになったし、同時にキャリア全方位的なアルバムになった。“Take Me To The Hospital”“Warrior's Dance”なんかは完全に初期を彷彿とさせるレイヴ・ナンバーだし、“Colours”の弾けてつんのめるビートは前作の、デイヴ・グロールが叩いている“Run With The Wolves”なんかは『蟹盤』の延長線上にある方法論だ。なのに、アルバムを通して聴くと雑多な印象は一切なし。逆に余りにもプロディジーそのもの過ぎて驚くほど。
『蟹盤』みたくバカ売れはしないだろうけど、ペンデュラムやハドーケン!、ケミスツといったフォロワーの台頭で時流を味方につけてるし、シーンに再び存在感を誇示するには十分過ぎる一枚だ。